産後の腰痛〜原因と対処法〜
2020.03.17
こんにちは、東京都武蔵野市の三鷹駅北口にあります三鷹鍼灸院はりきゅうmoreの谷本です。
今回は「産後の腰痛」について。
それまで腰が痛いなど感じたことがなかったのに、出産を機に腰痛や坐骨神経痛の症状が出現することがよくあります。
ただでさえ大変な育児です。
「腰痛なんかに悩まされたくない」と思いますので、適切なケアを知っていただき産後の女性のトラブルを防いでいただきたいと思います。
産後の腰痛や坐骨神経痛の原因
実は産後に限らず、腰痛がどうして起こるかというのは全てが解明されているわけではありません。腰や骨盤周りの筋肉や靱帯の問題、椎間板ヘルニアや神経の問題、ストレスなどの精神的な問題など様々な要因が関わってきます。
その中で産後の腰痛に関係してくるものとして考えられるものは
①骨盤径の拡大
②骨盤底筋群の過伸長
③日常の動作やバランスの変化
があります。
妊娠、出産のために“リラキシン”という結合組織を緩めるホルモンが分泌されることにより仙腸関節や恥骨結合がわずかに動き骨盤径は拡大します。
そこで負担のかかる筋肉や靭帯がでてきます。
また、骨盤底筋群の過伸長による機能低下も加わります。
さらに妊娠中にはお腹がでてくることにより重心が変わり、反り腰の状態になります。そのため、お尻や身体の後方の筋肉に強い負荷がかかります。
これらの負担のかかっている部位にトリガーポイント(痛覚の過敏部位)が形成され痛みとして出現すると考えられます。
通常、これらの骨盤周囲の変化は産後半年ほどでホルモンバランスが整い自然に戻っていきます。
しかし、妊娠中に覚えてしまった身体の間違った使い方や、形成されたトリガーポイントは残るため腰痛を訴える方が多いのです。
産後のケア=骨盤矯正ではない
注意していただきたいことは、“産後のケア=骨盤矯正”ではありません。
「産後の骨盤矯正」「骨盤のずれやゆがみは早く治したほうがいい」という言葉はよく聞きます。
しかし、特に前述したホルモン“リラキシン”の影響がある産褥期や授乳期には、ただでさえ靭帯などが緩い状態になりますので骨盤矯正は関節に負担がかかったり、必要以上に関節をルーズにするなど痛みやトラブルを引き起こすリスクがあります。
無理な徒手矯正は避けましょう。
産後の腰痛のケア
それでは産後の腰痛にはどうすればいいのか?
どうしても痛い場合は、痛みがでているトリガーポイントへのピンポイントなアプローチがおすすめです。
鍼灸治療でお身体にかかる負担を少なく安全に施術していくことが可能です。
痛みが落ち着いたら、リラックスできる体つくりや、骨盤底筋の体操や腹筋群のエクササイズ、身体の負担を軽くするための環境つくりなどを産後のケアとしてやっていきましょう。
深い呼吸をしながら行うヨガやピラティスなどもおすすめです。
「身体への負担が少ない痛みのケア」+「日常生活での正しい身体の使い方と簡単なセルフケア」
で産後の多くの女性のトラブルは防ぐことができます。
産後の腰痛やケアにお悩みでしたらぜひお気軽にご相談ください。
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※この情報は鍼灸師として15年間第一線で活躍した院長 谷本 康が記述しており、日本で代替医療に分類されている国家資格を持っております。当院では、鍼灸療法について正しい知識をお伝えするために日々努めております。痛みなどのお悩みの方は是非当院までお越しください。(※鍼灸療法には、個人差がありますので、予め十分な時間を確保の上、説明を行います。)